部品はんだ付け途中の基板の写真

初心者によるキーボード自作 組み立て編

次は組み立てです。
作業の流れは以下の通り。

  • ダイオードのはんだ付け
  • タクトスイッチ、TRRSコネクタのはんだ付け
  • マイコンのはんだ付け
  • キースイッチ取り付け・はんだ付け(アクリルプレート取り付け)

これを左右の基板にやっていきます。

ダイオードのはんだ付け

特に難しいことはなく、ダイオードを穴にさしてはんだ付けをしていくだけです。
この基板は表面実装型(四角いチップ型)ではなく、普通のダイオードを使います。
75本ほど使用しますので、下の写真のようにまとめてコの字型に折っておくと作業がやりやすいです。

ダイオードの説明写真
足をコの字型に折ったダイオード

専用の工具もあるみたいですが、私は定規を使って40個くらいずつ一気に折り曲げました。

ダイオードのはんだ付けは足が出ている面で行う人が多いと思いますが、私は部品がある面でやりました。足のほうをはんだ付けするとどうしても高さが出てしまうので、キースイッチをつける際に邪魔になりそうだったのが理由です。
実際には全く邪魔にはならない配置だったのでそうする必要はなかったのですが、足のほうではんだ付けすると多数の足のせいではんだ付けしづらくなるので部品側をはんだ付けしたほうが楽で良かったです。

TRRSコネクタとタクトスイッチ

その後、TRRSコネクタとタクトスイッチをはんだ付けします。

TRRSコネクタとタクトスイッチの写真
TRRSコネクタ(右)とタクトスイッチ(左)

TRRSコネクタはTRRSケーブル(4端子のイヤホンケーブルです)で左右の基板をつなぐために必要となる部品です。このケーブルは、USBがつながっていない側の基板に電源を供給すること、押されたキーの情報をUSB側の基板に伝えること、の2つに使用されます。
このケーブルがあることで左右両方にUSBケーブルをつなぐ必要がなくなります。

タクトスイッチはマイコンのリセットスイッチで、ファームウェア書き込みの際に使用します。
Pro MicroというマイコンはUSBにつなぐだけではファームウェアの書き込みモードにならず、リセット後の数秒だけ書き込みモードになります。そのためこのリセットスイッチが必要になります。

マイコンのはんだ付け

マイコンは基板に直接はんだ付けするわけではなく、コンスルーというピンを使って取り付けます。
このコンスルーはピンがばねのようになっていて、基板の穴に差し込むだけで電気的に基盤とつながるようになっています。そのためマイコンの付け外しが自由にできるようになります。

コンスルーはこのように取り付ける

コンスルーの取り付けは向きに注意します。
黒い樹脂部分の横に小さな穴がありピンの先っぽが出ています(上写真の赤丸部分)。左右のコンスルーでこの穴の向きを合わせることと、この穴がマイコンの基板に近くなるように(上写真の矢印の長さを参照)取り付けることがポイントです。

マイコンを基板に取り付ける様子の写真
コンスルーをはんだ付けするとマイコンを基板に差し込めるようになります

ここまで出来たら、ダイオード等のはんだ付けが正しく行われているかどうか確認します。
そのためにはマイコンにファームウェアを書き込む必要があるのですが、ファームウェア書き込みは次回記事で記載します。
ファームウェアを書き込んだあとでパソコンとUSBで接続。その後、キースイッチの穴をピンセットなどで接触させてすべてのキーが反応するかどうかを確認します。
QMK Configurator(https://config.qmk.fm/)というサイトにキーボード入力テストツール(https://config.qmk.fm/#/test)があり、それを使用するとやりやすいと思います。
なお、このサイトは次回のファームウェア作成でも使用するお役立ちサイトです。

はんだ付けのテストの様子の写真
このようにキースイッチの穴をピンセットで接触させます
(※この写真はすでにキースイッチがはんだ付けされた状態のものです)

キースイッチ取り付け・はんだ付け

最後にキースイッチをはんだ付けするわけですが、基板に直接差し込むのではなくアクリルプレートにキースイッチをはめ込んでから基板にはんだ付けします。
基板の穴には余裕があるため基板に直接はんだ付けしてしまうとキーごとにばらばらの傾きになってしまいます。それを防ぐためアクリルプレートが必要となります。

アクリルプレートにキースイッチをはめ込んだ写真
アクリルプレートにキースイッチをはめ込んでから基板に載せます
(※この写真ははんだ付けが終わり裏側のプレートも取り付けた状態のものです。裏側のプレートが付いていな状態ではんだ付けを行います)

プレートにキースイッチをはめ込み基板に載せたら、あとは裏側からすべてのスイッチをはんだ付けするだけです。
ダイオード同様、数が多いのではんだ付け忘れやはんだ付け不良が発生しないように気を付けましょう。
私が作成したときには、はんだ付け忘れが3か所、はんだ不良が1か所ありました。つけ忘れはすぐにわかるのですがはんだ不良はキーが効いたり効かなかったりするのでファームウェアの設定の問題なのか判断しづらかったです。

このキーボードは表と裏にアクリルプレートがあるので、キースイッチ取り付けで使用するのは表側(キースイッチを取り付ける側)のプレートのみです。裏側も取り付けるとはんだ付けできなくなってしまいます。
プレート取り付け用のスペーサーとねじが付属していますが、表側のプレートにスペーサーとねじを取り付けて、その状態でキースイッチもはめ込んではんだ付けしていきます(下写真のような状態)。

キースイッチはんだ付けを行う状態の基板の写真
表側プレートにスペーサーを取り付けてキースイッチを取り付けた状態で基板にはめます

キースイッチのはんだ付けが終わったら、はんだ付けが正しく行われたかどうか確認を行います。
先ほどのキーボード入力テストツール(https://config.qmk.fm/#/test)を使用ました。

最後に裏側のアクリルプレートを取り付けます。
ここは組み立てガイドのページを見て間違わないように取り付けます。

プレートが取り付けられた状態の写真
プレートを取り付けた状態(表が下側になっています)

ゴム足が付属しているのでそれを貼り付け、キーキャップをはめ込んだら組み立ては完了です。
この状態でも少しだけ角度がつくのですが、私はもう少し角度をつけたかったので3Dプリンターで簡単な足を作って両面テープで貼り付けました。キーボードの上側が20mmくらい持ち上がるようにすると私にはちょうど良い角度になりました。

3Dプリンターで作成した足を取り付けた写真
3Dプリンターで作成した足を取り付けた

準備編で購入したキーキャップですが、やはりプリントがないと使いづらかったのでFILCOの「Majestouch 交換用キーキャップセット 日本語108キー・かななし FKCS108NB」というキーキャップを追加購入しました(リンク先はAmazonの商品ページです)。
また、高さを変えて指の感触でキーを判別しやすくするため、3Dプリンターでキーキャップも作成します。
結果、ごちゃまぜ感が満載になってしまいましたが完成したキーボードがこれです。

完成したキーボードの写真
完成したキーボード。統一感のないキーキャップですがご容赦を

ちなみに、このPro MicroというマイコンはマイクロUSBのソケットの取り付け部が弱いようで、何度も付け外しをしているとソケットが外れてしまうことが多いとのこと。
その防止のために、マグネットで脱着できるUSBケーブルを購入しました(リンク先はAmazonの商品ページです)。これでソケット部には負担がかからずにケーブルの付け外しができるようになりました。

マグネット脱着式USBコネクタの写真
マグネットで脱着できるUSBコネクタ

次回はファームウェアの作成・書き込みです。

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