最近、いろいろと調べてみたのだが、放射能、放射線量のお話を整理してみる(自分用)。
(ちなみに私は原発賛成論者ではない)
原発事故で排出される放射性物質には主にヨウ素131とセシウム137というものがあるらしい。
単位もいろいろとあって分かりにくいのでにわか学者(笑)がまとめて見る。
各種数値の出展もとは「インターネットのどこか」なので正しくないかもしれないです。
まずは単位
Bq=ベクレル 放射能の大きさ(1秒間に原子核が崩壊する量)。放射線を発する能力
Gy=グレイ 物体が受ける放射線の量
Sv=シーベルト 生体に対する被曝の強度
Sv/h=シーベルト毎時 生体に対する1時間あたりの被曝の強度
Sv、Sv/hには、m(ミリ=1,000分の1)、μ(マイクロ=1,000,000分の1)がつくことが多い
Svは1時間あたりの量(Sv/h)が報道でも多く使われているが、なぜかSvとSv/hの数値を比較するものが多い。これは意図的に問題をすり替えていると思われるので注意すること。
原発から〇〇km地点の放射線量は、レントゲン◯回分とか言っているやつがそれ。「原発から〇〇km地点に◯時間いたときの放射線量は」と言ってるならわかるんだけど。
(新幹線の速度と、東京から横浜までの距離、どっちが大きい? って聞いているようなもの。比較のしようがない・・・)
さて、人は通常時においても自然界から年間2.4mSv(=0.0024Sv)の被曝を受けているとのこと。
これを単位時間に直すと、0.27μSv/h(=0.00027mSv/h=0.00000027Sv/h)である。
ちなみに、飛行機に乗って海外旅行に行く時にはだいたい1.5μSv/hを受けているらしい。
現在(原発事故発生後12日目)では、川崎近辺の放射線量測定値をを見ると100~150nGy/hの単位時間あたり被曝量となっている(昨日までの雨で放射性物質が地表に降りているため、3日前〔だいたい50nGy/hくらい〕と比べて増えていると思われる)。
Gy(グレイ=物質が受ける放射線量)という単位がでてきた。
生体への被曝度合いは、もととなる放射性物質によってことなるらしい。Gyは単純に物質が受ける放射線量で、それに対して生体への影響係数をかけたものがSvととなる。
最近飛び回っているのはヨウ素131で、これについては係数がほぼ1とのこと。
なので、いま川崎あたりでは0.1μSv/hの単位時間あたり被曝量となる。
要は飛行機に乗っているよりも安全である。
さて、さらにここ数日で報道されるようになってきたBqであるが、これは先にも書いたとおり放射能の大きさである。
要はどんだけ放射線を出すか、ということ。
これももととなる放射性物質(核種)によって異なっている。
下の表を見てみる。
核種 | 半減期 | 経口摂取(Sv/Bq) |
131I | 8.04日 | 2.2×10-8 |
137Cs | 30.1年 | 1.3×10-8 |
これは、ヨウ素131とセシウム137の半減期と摂取量による被曝量の換算表。
ヨウ素131は8日程度で放射能が半分になるので、ひと月も経てば16分の1になる。
セシウム137は半減期が30年なのでなかなか減らない。
まずはこれを認識すべし。
経口摂取は、それを食べてしまったときに生体に与える被曝量(単位時間あたりではなく総量)と放射能の大きさとの比である。成人の場合は50年間に、子どもの場合は70才までの間に受ける被曝量(積算値)らしい。
最近の報道の数値を上記の表で計算してみる(以下数値はすべて1kgあたりの量)。
- 本宮市産のクキタチナ → 82,000 Bq(137Cs) → 630 μSv
- 川俣町のシノブフユナ → 22,000 Bq(131I) → 480 μSv
- 茨城県河内町の原乳 → 1,700 Bq(131I) → 37 μSv
簡単に換算してみる。
汚染されたクキタチナ(茎立菜)を100g食べたとすると、63 μSvなので飛行機に42時間乗った状態。
汚染されたシノブフユナ(信夫冬菜)を100g食べたとすると、48 μSvなので飛行機に32時間乗った状態。
汚染された原乳を200g飲んだとすると、7.4 μSvなので飛行機に5時間ほど乗った状態。
少し乱暴だが、
- 汚染されたクキタチナを1週間ごとに100g食べる人
- 汚染されたシノブユユナを5日ごとに100g食べる人
- 汚染された牛乳を毎日200g飲む人
- 一日あたり平均6時間飛行するパイロット
はすべて同程度の被曝量、ということになる。
毎日食べるとやばい感じがするが、間違って摂取したくらいでは影響なさそうな気もする。
まぁ、政府の出荷停止措置は妥当だが、パニック状態に陥るほどひどいものではないのがわかると思う。
ただ、これがここ数週間だけの影響なら良いのだが、Cs137は半減期が30年なので生産地の汚染が暫く続くことが予想される。事故が長引けばさらに汚染状況が悪くなる。
ということを考えると、深刻な問題であることは事実である。
他方、事故も何もなく通常時でも人体は6,000~7,000 Bqの放射能があるそうだ。これは人体に含まれるカリウム40という放射性物質によるものらしい。
これをみると、上記の原乳なんて可愛い物に見えてくるようなきがしないでもない。
ということで、自分で理解するためにもまとめてみた。
間違っているかもしれないので、この記事を見た人は情報は鵜呑みにせず、自分で判断するようにしてください(これは政府発表、新聞、テレビなどの発する情報全てに言えることだけど)。